LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜
第6章 《孤爪》LOVE!CHOCO!KISS!
それって、ある意味彼女より強敵じゃないですか…。
「ねぇ、何か勘違いしてない?」
頭を抱えて絶望に浸っていると、ツンツンと肩を突かれ私は研磨さんの方に顔を向ける。
「何がですか?」
「その幼馴染、男だよ?しかも俺よりデカくてオマケにココの元主将。」
「お、とこ…!?」
「うん。ナギって表情豊かだよね。今なんてすごい顔してた。」
普段あまり表情が変わらない研磨さんはそう言って少し笑った。明らかに好きなのバレバレってくらい分かりやすい反応をしてしまい、頭を抱えていた両手は今は顔を覆っていて、私は沸騰したみたいに熱くなる顔を必死で隠していた。
「いや!ちが、勘違いとかじゃなくて!!」
なんのための弁解なのかもはやわからなかった。
「ナギ。ソレ、貸して欲しいんだけど。」
研磨さんはあたふたする私をよそに、今度は私の手首を指差した。視線の先にはなんの飾りもない見慣れた黒いヘアゴムがある。
「ヘアゴム、ですか?」
「うん。髪伸びてきて邪魔だから。貸して。」
「私のでよければ!!!」
研磨さんは私の掌からヘアゴムを受け取ると、不器用に髪を束ね始めた。だけど普段から結び慣れてないのか、後れ毛はパラパラと彼の指先からこぼれ落ちていく。