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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第6章 《孤爪》LOVE!CHOCO!KISS!



年上の大学生はすごく大人に見えるし、一見ヤンキーかと勘違いしてしまうほどの鮮やかな金髪に初めは少し怯えた。だけど、そんな外見とは裏腹に言葉数は少なく、だからといってものすごく近寄りがたいわけでもなく。おまけに試合が始まると、時折選手を呼びつけては、誰より一手も二手も先の試合展開を見越したアドバイスをする姿に、私は案外あっさり恋に落ちた。

とは言え、"粘りの音駒"の再起を誓い動き出したチームの中で、そんな恋心を気にしている場合じゃない。しかし、あと数ヶ月で研磨さんがいなくなってしまうと言う現実に、私の頭の中は彼の事で埋め尽くされてしまった。

(まだ好きって言ってない。て言うか、突然会えなくなるなんて無理だよ…)

あと一年。卒業までにはきっと想いを伝えよう。そんな悠長なことを考えていた自分を殴ってやりたい気分だった。



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二月になり、クラスメイトとの会話はバレンタインデーの話題一色で、誰が誰に渡すとか、告白するとか。連日そんな会話が飛び交う中で、私は意を決して部活終わりに研磨さんに声をかけた。

「け、け、研磨さんて、彼女とかいるんですか?」

勇気を出してそう声を掛けると、案の定研磨さんは怪訝な顔をした後に口を開いた。

「…?なんで?」
「何となく…聞いてみたかっただけです!!」
「そんなのいないけど。あ、でも…」
「でも!?」
「恋人みたいに俺の家に入り浸ってる人ならいる。」
「恋人みたいに、ですか!?」
「そう。まぁ、実際は幼馴染だけどね。」
「恋人みたいな幼馴染!!?」

何というパワーワードだろうか。あわよくばバレンタインにチョコレートを渡した勢いで告白してしまおう!なんて考えていた私にとっては、立っていたら膝から崩れ落ちそうなくらいの衝撃情報だった。

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