• テキストサイズ

LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第6章 《孤爪》LOVE!CHOCO!KISS!



その時、新年の初詣で引いたおみくじの内容が頭をよぎった。

" 恋愛 あきらめなさい "

新年早々なかなかキッパリ言われたものだと、肩を落とした。まさか早くも現実になり、二度も肩を落とす事になろうとは。それは冬休みが明け、初めて部活にみんなが顔を出した日だった。

「コーチの研磨さん、大学卒業のため三月までで終わりだそうだ。」

三年生が引退し、新しい主将が集合をかけ皆が半円に並び終えるとそう口を開いた。音駒OBであり、過去に春高に出場した経験のある研磨さんは、自身が大学に入ってから暇を縫ってはコーチとして私たちの練習を見てくれていた。私が1年生の春にマネージャーとして入部した時には既に研磨さんは音駒バレー部にいたから、まさかこんな唐突に終わりを告げられるとは思いもせず、開いた口が塞がらなかった。

「という事で残り数ヶ月、よろしくお願いします!!」

主将が少しぎこちない態度のまま研磨さんの方に向き直り勢いよく頭を下げると、当の本人は少し困った表情を浮かべた。

「まぁ、別に俺が居なくなってもこのバレー部は無くならないから、そんな騒ぐ事じゃないけど…。でも、俺が2年の時春高に出場して以来、音駒が春高ご無沙汰なのは事実で。それが悪いわけじゃないけど…ただあそこでやる"ゲーム"は一味違うから。だから、みんなにも味わってほしい…かな、と思う。あとちょっとだけど、よろしく。」

おぉ…!
研磨さんがすげー喋ってる…!

右を見ても左を見ても誰もがそんな顔をしていた。研磨さんはそんな騒ぐ事じゃないと言うけれど、私には大問題。春高もさる事ながら、私の恋愛も強制終了の危機なのだからーー。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


研磨さんは、初めて合った時から本当にバレーをやっていたのか?と疑いたくなる程に、スポーツマン感が無かった。

研磨さんに初めて出会った4月。つまり私が音駒に入部した年の事。年度一発目の練習試合に同席した私は、たまたまベンチに腰掛ける研磨さんの隣にいた。

/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp