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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第23章 《菅原》恋する私の出発点



「これだけ、貰って…欲しい」
「え…?」

大急ぎで鞄から出した箱を菅原の胸に押し付ける。
淡いグリーンの箱は爽やかな彼にピッタリだなぁと思って選んだ。
そんな箱に合わせたのは真っ白なリボン。


「…今まで、ありがとう」
「えっ!ちょ…小鳥遊!?」

菅原の顔も見ずに私はそれだけ言って走り出した。



ごめん、潔子…私、結局言えなかった。
ずっと応援してくれてたのに。

ごめん、菅原。
ちゃんと話を聞けなくて。




溢れそうになる涙をグッと堪えて私はスマホを取り出した。


『もしもし……?』

電話口から聞こえるのは柔らかな清子の声。

「潔子、私告白すら…出来なかった…」
『…菅原は何て?』
「何か言おうとしてたけど…怖くて聞けなかった」


『…………ナギ』
「……………!」


少し強めに呼ばれた名前に胸がドキリと音を立てた。



『菅原の話も聞かないで…そのまま決めつけるのは良くない』
「でも、潔子……」
『話を聞いてあげて、きっと何かが変わる』



「小鳥遊……!」
「………っ、」
『…菅原、来た?じゃあまた明日ね』
「潔子……っ」


無情にも切られてしまった通話。
次の瞬間、スマホを握り締めていた腕を掴まれた。


「見つけた………ハァ…良かった」
「すが、わら……」

安心した様なフニャリとした笑顔に胸がきゅっと締め付けられた。
こんなに寒いのに、掴まれている腕だけが熱い。



「話…聞いて貰って良いか?」
「………うん」


観念した私の様子を見て菅原は掴んでいた手をそっと放した。
それが寂しいと思ってしまう私は結局まだ菅原の事が好きで好きで堪らないんだって実感してしまう。
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