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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第23章 《菅原》恋する私の出発点



「…皆さんがここまで土台を固めてくれたからこそ、全国の舞台にも立つ事が出来ました。僕は皆さんを誇りに思います。3年間…本当にお疲れ様でした」

武田先生の言葉がゆっくりと心に染み込んでいく。

そして澤村達3人のユニフォームは武田先生へと渡された。
気付かれないように私は菅原の顔を見る。


清々しい顔をしている。
でも、やっぱり私には何処か寂しそうに見えるよ。
悔いがないわけない。
私だって、あるんだから。

選手がないわけ、ないよね………。

溢れそうになる涙を唇を噛んでグッと堪える。

「………!」

ふと、菅原と目があった。


「……………っ、」


なんて…優しい顔で笑うの。
まるで、大丈夫だよって言われているみたい。


噛み締めていた唇をそっと解いて微笑み返す。

やっぱり、好きだなぁ…と思い知らされる。

優しい菅原が、私は大好きなんだ。




「そろそろ鍵閉めるぞー!お前らも着替えろよ!」
「「ウースッ!」」

引退の日の今日も変わらない澤村と後輩たちのやり取りに、明日もこのやり取りが続くんじゃないかって思ってしまいそうになる。

「……潔子、」
「ん?」
「…行ってきます」
「!………うん、行ってらっしゃい」





すっかりと日も傾いた外。
更衣室を飛び出して私は大きく息を吸って吐いた。



もし、ダメでも、
それでいい。


私の温め過ぎたとも言える気持ちにちゃんとゴールをあげたい。




「菅原………っ」

校門に佇む菅原の姿を見つけて思わず駆け寄った。
心臓がバクバク言ってる。
きっと走ったからって理由だけじゃない。

「小鳥遊、良かった探してたんだ」
「…………わ、私も菅原を探してて、あの、」
「…待った!ごめん、俺の話先でも良いかな」

「………!」



胸に衝撃が走った。


このタイミングでの「ごめん」は私には酷過ぎた。



告白すら、させてもらえないのだとしたら。
私の気持ちはどこに降り立てばいいのだろう。

ならばせめて、
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