第2章 目の前に現れたのは
青年に気を取られつつも、とりあえず帽子を拾い、もう一度青年を見る。
『ぅわあ…。』
あ、やば。声でちゃった。
思わず声が出てしまうほど容姿端麗、眉目秀麗という言葉が合う青年だった。顔は彫りの深い日本人といった感じで、髪は黒。それも漆黒って感じの濃い黒色は。それでいて身長180くらいは余裕でありそうな高身長な青年だ。
目が合ってしまい気まずい時間が流れる。
その沈黙を破ったのは、変わった格好の青年だった。
「お前、何者だ。」
『え?』
何者って…変わってる口調だな…
青年はどうやら警戒しているようだ。こっちも変わった服装で見ことない顔に思わず警戒してしまう。
『えっと、この大学の生徒ですが…あなたは?』
「ダイガク?なんだそれは。それより俺のことを知らんのか。」
大学を知らなそうな反応をした後に考え込んでしまった。というか、俺のことを知らんのかって…この人有名人か何かかな?
ただ、この時点で一つ言えることがある。
この人、変わってる。