第8章 一難去ってまた一難
ブウウウン
『全く、裕香はイケメンを見つけたら止まらないんだから。』
「あはは…ごめんごめん。ソルくんがイケメンすぎるのが悪い!」
『まあ、顔が良いのは認めるけどね。』
そう。見た目だけはアイドルや俳優にも引けを取らないくらい整っている。ただ、中身に少し難がある気がするが…それは黙っておこう。夢を潰すのは良くない。
「………耀はソルくんと付き合ってるとかないんだよね?」
『そんなの無いよ!それに前にも話したでしょ?好きな人いるって。』
私も普通の学生であり、女の子であるわけで。
絶賛片想い中である。相手は大学のサークルの先輩なのだが…未だに告白を出来ずにいる。
「そーだよね!耀には匠翔先輩がいるもんね!じゃあ、ソルくん狙っちゃおーかなー…」
んー。もちろんおすすめはしない。彼はこの世界の人じゃないのだから。でも、異世界の人というのも知らない裕香にこんな事言えるわけもない。
『ソルの好みとかわかんないけど応援するよ!いつでもうちに遊びに来ていいからね!』
「ありがとー!」
こんな会話をしていた私たち。後にあんな事になるとはこの時、誰も思いもしなかっただろう…