第8章 一難去ってまた一難
一時間後………
「ソルくんって身長高いよね!何cmくらいあるのー?」
「センチ…?身長など、測ったことがないからわからんな。」
「へ、へえー、そうなんだ。どこの国出身なの?」
「シエロという国だ。」
「聞いたことないなー。あ、彼女とかいるの?もしかして耀と付き合ってる?」
「いない。今までそれどころではなかったからな。」
「そーなんだ!」
脅威の集中力で課題を終わらせた裕香によって、ソルは質問攻めに遭っていた。
てか、シエロって国だったんだ、ソルのいた国。
時計は23時をとっくに回っている。にも関わらず、イケメンを目の前にした裕香は質問を止める様子がない。
『裕香。そろそろ帰らないといけないんじゃないの?明日も朝からバイトって言ってたじゃん。駅まで送っていくから、そろそろ切り上げなよ。』
「え!やば、もうこんな時間!じゃあソルくん、またお話しようね!あ、連絡先とかって教えてもらえないかな?」
「連絡先…?こちらの世界の連絡手段を持ち合わせて」
『ソルのスマホこっち来る時に壊れちゃったみたいで!だから今日は無理っぽいよ!』
こちらの世界とか言うんじゃない!!変に疑われたくないんだから!!
「あー…そうなんだ!じゃあ、また会いに来てもいいかな?」
「俺は構わないぞ。」
「やったー!じゃあまた来るね!」
裕香、ソルに彼女がいないって聞いて完全にロックオンしたな。まあ、裕香らしいといえばらしいけど。
『ソル留守番お願いねー。』
「ソルくんバイバイ!」
こうして、地獄の勉強会もとい友人と接触イベントは幕を閉じたのだった。