第5章 VSストーカー
意を決して外に出ると、ストーカーがこっちを見ているのが見えた。
「耀ちゃーん!やっと出てきてくれたね!会えて嬉しいよ!」
何が会えて嬉しいだ。ずっとインターホン鳴らしてたくせに。
怒りが爆発しそうになるのを堪える。
『あの、何回も何回も家に来られて迷惑なんですけど。もう関わらないでくれませんかね?』
「なんでそんな事言うの?あ、もしかして恥ずかしいの?僕の愛に気付いて照れちゃってるんだ。可愛いなあ。」
思い上がりも甚だしい。ここまで来ると笑えてくるわ。
『恥ずかしいなんて感情ありません。嫌なだけです。お引き取り下さい。』
できるだけ怒りを抑えつつ、こっちが嫌な思いをしていることを伝える。だが…
「本当は嫌じゃないんでしょ?ほら、ここ開けてよ。ね?」
埒が明かない。
何回も拒否する言葉を並べても、相手はいいように捉える。今まで無視し続けてたけど、ここまで頭のネジが外れてるとは。
私一人でどうにか出来ればよかったけど、やっぱりあいつに頼らないといけないのか…