第3章 王子の頼み
「ほう。こちらの世界には便利なものがあるのだな。それで、この人間はお前の客なのだろう?なぜ返答しないのだ?」
『この人客人じゃなくて私のストーカー…付きまとってくる人なんです。出る意味無いですから。放っておいていいですよ。それより話の続きです。』
話に戻ろうとするが…
ピンポーンピンポーン
もー!鬱陶しい!!こっちは大事な話してんのに!!!
今年大吉出たはずなんだけどなあ…
王子(仮)といったら私の顔を見てくるだけだ。
『こんな女に付き纏うのかーとか思ってるんでしょうけど、私だってそう思ってるんですからね!』
あー、もう冷静になれない。まだ鳴ってるし。今日に限ってしつこいな。
「お前、困っているのか?」
『見てわかんないんですか?困ってるんですよ!』
「ならば丁度いい。交換条件といこうじゃないか。」
王子(仮)は黒い笑みを浮かべていた。