第3章 悔いなき選択 (後編)
「全員、注目ッ……!!今日から、我々と共に戦う3人を紹介するッ!!お前達、皆へ挨拶しろッ!!」
とりあえずだが、上手いように事が進んだ。
これで"例の物"を奪い、あの男を殺す機会をまた得られたわけだ。
『リヴァイだ』
心臓を捧げる敬礼をせず、腕を組んで見下ろすリヴァイに周りの兵士達は騒めきたつ。
「リヴァイ……、お前はまず此処の規律を叩き込んでもらえ!次ッ!!」
「イザベル・マグノリア!よろしく頼むぜッ!」
「ファーラン・チャーチ、……です」
イザベルとファーランはリヴァイのように兵士達を見下す様な態度はないが、敬礼がまだ不完全だった。
「フラゴン、3人はお前の軍隊へ入る。面倒を見てやれ」
「は……、自分の隊でありますか……?」
「不満か?」
「い、いえ……。エルヴィンではなく……?」
「エルヴィンには全体の指揮の補佐を任せる。新兵はお前の担当だ、いいな⁈」
フラゴンは不服だったが、キース団長が言う限り渋々従うしかなかった。
「ハッ……!承知しましたッ!」
私達は先程担当となった上官、フラゴンに連れられて兵舎へと向かっていた。
「此処が兵舎だ」
「結構な数だなぁ……」
「いやったぁ〜〜〜ッ!!みーんな、一緒の部屋って事かぁ!!」
「お前は女だから別棟だ」
「え"ぇ〜〜っ⁈俺も此処がいい!!第一、女が別棟ならリヴァイだっ……ふごぉおっ!ファーラン、何すんだよっ!!」
「イザベル、お前は少し黙ってろ……!(イザベル、リヴァイは自分を男だと思わせておきたいと言ってたろ!)」
「(あ、そっか!)」
「おい、そこ何をコソコソしている」
「いや!何でもないですっ!」
「はぁ……。男2人、お前らの寝床は此処だ」
今まで無言でいたリヴァイはベッドに近づきよく掃除が蔑ろにされるベッドの裏に手を沿わせる。
パラパラと埃と木屑が落ちる。
『……、』
「お前ら、ずっと地下のゴミ溜めで暮らしてきたんだろうが、此処は清潔に使えよ!」
『あ"ぁ……?』