第2章 つまさき立ちの恋【跡部景吾】
彼が突き上げる様に腰を動かせば、快感なんてものは無く…ただ切ないまでの苦しさと痛みが刻み付けられていく。
自分が出来る限りの甘い声を出して、誤魔化す。彼の目が細められ、疑っている様に見えた…次の瞬間。
ピリピリとした痛みに変わり、中からじわりと快感が広がり始める。
名前「ぁ…やっ……だ…め…なの…にぃっ」
跡部「アーン?一体何が駄目だっていうんだ?」
広がっていく快感に思考が支配される。
気持ち良くなっちゃ駄目、痛みがあるからこそ…この行為に対して自分を罰せていたんだ。それなのに残酷にも無情にも、痛みは薄れていく…。
気持ち良さからか痛みからか苦しさなのか悲しみなのか、分からないままに溢れる涙を零しながら腰を震わせる。
何度も何度も突き上げられ、僅かな痛みは残るものの…それ以上の快楽の波が押し寄せる。
跡部「イケよ…苗字」
名前「ぁ…アッ…も…だ…めぇぇっ」
意思とは関係無く、自分の膝ががくがくと震える。彼の腹に両手を置き、腰は彼に支えて貰って何とか崩れ落ちはしなかった。