第6章 6話
そこから数十分もしないうちに最初は彩夏が仕事をしているのに自分はくつろいでいてもいいものか...と、くつろげていなかったオールマイトも次第にいつものように独り言をブツブツと話し始めた。
時折、何度も誰かへ電話をかけ続けていた。
しかし、電話の相手は何度かけても出ないようだった。
(オールマイト)
「んー...13号くんにも相澤くんにもかからない...
...いかなる理由であれ勤務時間外の都合で教鞭を放り出す...とても愚かしいことをしていた。
終わりがけに行って何が語れよう?
あと10分程なら体も持つだろうし...
私が行く!!!!」
と、大きな声を上げてマッスルフォームに戻ったオールマイトに彩夏が冷たく言い放った。
(彩夏)
「俊くーん、辞めといた方がいいよー消太にぃ確実に何しに来たんだこの人...っていう目で見てくるから。」
マッスルフォームに変身したオールマイトには一切目を向けず、彩夏の目は必死にタブレットを見つめていた。
(オールマイト)
「彩夏ってちょっと相澤くんに似てきたよね...」
(彩夏)
「え?!ほんと?!嬉しい!」
(オールマイト)
「そーなの?!
いや、それどころじゃなくて...」
(根津)
「待ちなよ!」
声と共に仮眠室の扉がガラガラと開いた。
(オールマイト)
「校長先生!!」
(彩夏)
「根津さん!!」
(根津)
「Yes!ネズミなのか犬なのか熊なのか...かくしてその正体は──────
校長さ!!」
(オールマイト)
「本日も大変整った毛並みでいらっしゃる!」
(根津)
「秘ケツはケラチンさ!
人間にはこの色艶は出せやしないのさ!
その話は置いといて、君コレ!」