第3章 3話
仮眠室にて
コンコンコン
(彩夏)
「失礼します。相澤彩夏です。」
(オールマイト)
「あぁ。よく来たね、お入り。」
(彩夏)
「お久しぶりです、オールマイト。
...いや、この姿なら俊くんの方がいいかな。」
(オールマイト)
「ハハッそうだな。
で、いきなりなんだが...本題いいかい?」
君の急なムチャぶりには慣れっこだという表情の相澤はすぐに頷いた。
(彩夏)
「えぇ、どうぞ。」
(オールマイト)
「ありがとう。
私の後継者、緑谷少年はどうだろうか?」
どうだろうかって何がだよ。心の中で悪態をつく。
だが、言いたいことは伝わっていたようだ。すぐに話し出した。
(彩夏)
「どうだろうかってどういう意味...
何、私は体の使い方がなってないとか、筋力足りなさすぎとか言っちゃって大丈夫なの?
まぁ、でも今日の訓練私達のチーム負けちゃったから負け惜しみにしか聞こえないかな。」
(オールマイト)
「ゔっ...そうなんだ、彼は元々無個性だったから体の使い方が少々あれでね...
そんな事ないだろう、あれはゴーグルを禁止したからだろ?」
そりゃそうだ。幼い頃から発動する自分だけの個性。それを長い時間をかけて、個性と向き合い、凡庸性を見極め、限界を知っていく。
個性とはもはや人類には欠かせないものとなっている。
体の使い方がなっていないのもそれが原因だろう。幼い頃からの体に染み付いた動きがないのだから。