第3章 3話
飯田が一人、ブツブツと何かを言っている間
彩夏は個性であるものを創っていた
《create》
ボワン
ボワン
ボワン
(飯田)
「おおぉ...」
その様子を見ていた飯田が歓声を上げる
彩夏が創った物とは、自分たち用の意思疎通マイクと防犯カメラ
(彩夏)
「ごめんなさい!無力すぎて!!これくらいさせてください!!
ところで爆豪くんや...どこに行くんだ」
飯田に謝るや否や目ざとく爆豪が出口の方へ向かっているのに気がついた彩夏
(爆豪)
「俺はもう行く!!!」
(彩夏)
「じゃ、これ付けて。」
そう言って渡したのはさっき作ったマイクと超小型カメラ。
(彩夏)
「これで様子見て、侵入場所特定しとくから。思いっきりやって来て。」
(爆豪)
「チッ邪魔すんじゃねーぞ」
爆豪の言葉に首を横に振る
(彩夏)
「出来るわけないじゃん
あ、飯田くんこれ、防犯カメラなんだけど取り付けお願いしてもいい?できれば、ひとつの部屋につきひとつ。あと階段とか廊下にも。
じゃ、私たちもいこう!」
5分後───
(飯田)
『ジジッ相澤くん!聞こえるかい?取り付けが完了したぞ!』
(彩夏)
『ジジッわかった!じゃあ核の部屋に集合』
(彩夏)
「ありがとう!モニターも出来てるから見てみようか。」
(飯田)
「あぁ!本当に相澤くんは凄いな!」
(彩夏)
「いやいや、そんな事ないよ?
お茶子ちゃんの個性って何?」
(飯田)
「確か彼女の個性は無重力だったはずだ」
ってことは2階以上の窓から侵入...かな、と彩夏がモニターで窓近辺を映し出す
(麗日)
《侵入成功!》
(緑谷)
《死角が多いから気をつけよう...》
ビンゴ
彩夏がニヤリと笑う
その顔を見つめた飯田はマスクの下で顔を赤くした
(彩夏)
『ジジッヒーロー侵入。3階南側廊下。ヒーロー侵入。3階南側廊下。』
(爆豪)
『ジジッそこで黙って指くわえて見てろ』
(彩夏)
「指くわえて待ってるけど...暇じゃんね、そしたら私ら」
(飯田)
「彼は相変わらず口癖が悪いな!」