第9章 9話
(彩夏)
「私ちょっとトイレ行ってくる」
隣の席にドカりと偉そうに座り込んでいる爆豪に耳打ちをするとあぁ。と心ここに在らず、という声で返事をされ、これまた不審に思いながらも誰にも悟られずに昼食の席から離脱する。
そのまま、トイレには行かずに相澤とマイクがいるであろう放送室の方へ足を進めた。放送室へ着くと直ぐにドアをノックし、失礼しますと、ドアを開ける。
開けるとそこには座りながら仮眠をとっている相澤とそれを面白がってちょっかいを出すマイクがガラスに面した椅子に座っていた。
彩夏の声に気がついたであろう相澤は直ぐに立ち上がり、彩夏の方へ近づいていくと彩夏は困った様に笑いそっと相澤の胸に抱きついた。
それに答えるように相澤も彩夏の背中に腕を回し抱きついた。
先程までじっとことの成り行きを見守っていたマイクだが、直ぐに椅子から立ち上がり静かに部屋から出ていった。
(相澤)
「おつかれ…」
(彩夏)
「うん…」
(相澤)
「疲れたろ」
(彩夏)
「うん…」
(相澤)
「レクリエーションは出るな」
(彩夏)
「うん…」
(相澤)
「よく頑張ったな」
(彩夏)
「…うん」