第9章 9話
(彩夏)
「ここに入れるのは抽選で当選したヒーロー達ばかりですから。それにご存知の通り今回は敵の襲撃もあるということを踏まえての入場検査です」
この人達は誰が入れたんだよ、、、と入れた人をとっ捕まえたいくらいには彩夏はイライラしていた。話が通じないこの人達と話すよりも早く部屋へ入りたいという気持ちが段々顔に出てくる。
(朋之)
「それで?ちゃんと表彰台には上がるんだろうな?」
(彩夏)
「ッ!!!いえ、今回私は上がってはいけないことになっているので。
体育祭楽しんでくださいね。ではこれで」
朋之からの言葉が心に突き刺さる。すこし狼狽えたがすぐに鉄の仮面を顔につけ、その場を退散する。彼らは何か言いかけていたが、嫌味を言えたことに満足したのだろう。追いかけては来ずにすぐに部屋に入ることが出来た。
部屋に入ると直ぐにソファーに座り込み深呼吸する。備え付けのテレビを付けると雄英体育祭のアーカイブ配信が放送されている途中だった。
それは見ずに自分のタブレットを開き、少しだけ他のプロヒーローに指示を出してからその部屋を立ち去った。
関係者以外立ち入り禁止区域から出て少し歩くと爆豪が座り込んでいる。
(彩夏)
「そんなとこで何やってるの」
(爆豪)
「…うるせぇ行くぞ」
と、いつもより覇気のない声で罵倒される。不審に思いながらも爆豪について行き食堂で待ってくれていた上鳴と切島と共にお昼ご飯を食べた。