第8章 8章
一昨日、USJ事件の緊急会議が終わり塚内が退出した直後の事だった
(根津)
「それからもうひとつ今日は議題があるんだ」
(彩夏)
「あの、根津さん。
私はこれで───」
彩夏はそう言いながら椅子から立ち上がろうとする
(根津)
「いや、彩夏には今からはプロヒーロードリームとしてでは無く、ヒーローネットワーク(HN)を統括するものとしてここにいて欲しい」
彩夏は今日の会議に出席させてもらったお礼を述べたら直ぐに相澤の元へと駆けつけようと思っていた
しかし、根津の言葉にそうするを得ず仕方なく腰を浮かせた椅子にまた、座り直す
(彩夏)
「...了解です」
(根津)
「ありがとう
で、雄英体育祭のことについてなんだ
彩夏どうすればいいと思う?」
彩夏は一生徒に丸投げしていいのか?この議題は、と心の中でつっこむ
その場にいた教師兼プロヒーローの目線が彩夏に集まっている
それでも、彩夏は物怖じすることなく話し出した
(彩夏)
「あくまで、私の見解ですが。
おそらく、体育祭開催について例年を遥かに上回る批判の声が出ると思います
そこまでして体育祭の開催をする必要は無い。などと
ですが、雄英体育祭はかつてのオリンピックに変わる日本のビッグイベントのひとつになっています
簡単に中止できるものではありません」
(ブラドキング)
「でもよ!!マスコミやらにはなんて言うんだ?
絶対聞かれるぜ?
“敵に侵入されたのに雄英の危機意識は大丈夫ですか”ってな」
ブラドキングの言葉に眉一つ動かさない彩夏
(ミッドナイト)
「それは言えてるわね...そこの所どうなの?彩夏」
(彩夏)
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が磐石だと示す最大のチャンスですよ」
彩夏の表情は一切変わることなく淡々と答える
(ミッドナイト)
「確かに...!」