第7章 7話
そこから遡ること約5時間ほど前──
県内某所にて
ズズ、という音とともに黒霧の個性、ワープの中から死柄木が、ってぇ...と言いながら這いずり出てきた。
(死柄木)
「両腕両脚撃たれた...それに、爆発も...
完敗だ...
脳無もやられた。手下共は瞬殺だ...
子供も強かった...
平和の象徴は健在だった...!
話が違うぞ、先生...」
まるで、部屋の中を監視していたようなタイミングで部屋のテレビがつき、テレビを通して話が聞こえてくる。
〘違わないよ
ただ、見通しが甘かったね〙
〘うむ...舐めすぎたな
敵連合なんちうチープな団体名で良かったわい
ところで
ワシと先生の共作、脳無は?
回収してないのかい?〙
テレビから聞こえる声に死柄木は答えず、代わりに黒霧が答える。
(黒霧)
「吹き飛ばされました
正確な位置情報を把握出来なければ、いくらワープといえ、探せないのです
そのような時間は取れなかった」
〘せっかくオールマイト並のパワーにしたのに...
まァ...仕方ないか、残念〙
また、テレビから聞こえる声を無視しようかと目論んでいた死柄木だったが、気になる言葉を聞き無視することを諦める。
(死柄木)
「パワー...
そうだ...
1人...オールマイト並の速さを持つ子供がいたな...
それから、個性がいまいちかよくわからないやつも...」