第6章 6話
形からでも入ろうとオーダーメイドで作ってもらったであろうスーツのネクタイを、オールマイトは何の躊躇もなく引きちぎった。
その姿は怒りに燃えていた。
(死柄木)
「待ったよヒーロー
社会のゴミめ」
オールマイトは彩夏が凍らした道を転ばないよう、それでもスピードを落とさぬよう走り抜けた。
(オールマイト)
「相澤くんすまない。」
すぐさま相澤の元へたどり着き安否確認をする。
(オールマイト)
((腕に...顔も...))
相澤は両腕を骨折しており、オールマイトが持ち上げた時普通ならありえない所まで腕が垂れ下がっていた。
そんな相澤の近くには彩夏が我を失い、震えていた。
(オールマイト)
「彩夏。落ち着きなさい。大丈夫だ。」
(彩夏)
「俊くん...うん、そうだよね、もう大丈夫だよ。」
オールマイトの言葉で完全に自分を取り戻した彩夏はオールマイトの邪魔にならぬよう、少し出入口ゲートの方へ移動した。
オールマイトは相澤を肩に背負い、未だに水辺に恐怖で動けなくなった峰田と蛙吹、そして彩夏を助けようとして死柄木のすぐ近くにいた緑谷を超速急で回収し、相澤を出入口ゲートへ運ぶよう指示した。
(オールマイト)
「皆入口へ!
相澤くんを頼んだ。意識がない
早く!!」
(峰田)
「え?!
え?!あれ?!
速ぇ...!!!」
(彩夏)
「了解」
峰田はオールマイトに助けられたもののその行動が速すぎて驚きを隠せないようだった。
《Image》
彩夏は想像で担架を作る。
(彩夏)
「相澤先生動かすの手伝ってくれる?」
(緑谷)
「あ...うん」
直ぐに相澤を担架に乗せ、緑谷が担架の持ち手を持とうとした。