第6章 6話
そこには蛙吹の顔に触れる直前で死柄木の腕を掴み、死柄木と生徒の間に入った彩夏。
そして生徒を守るため、自分よりも生徒の安全を第一に考え敵に押さえつけられてもなお個性を酷使した相澤。
しかし、彩夏から相澤のことは見えていないため相澤には目もくれず死柄木を睨みつけたまま目を離さない。
(緑谷)
(ヤバイヤバイヤバイヤバイ)
(緑谷)
「相澤さんからっ...
離れろ!!!!」
(彩夏)
「ッ!!!!」
緑谷は彩夏から離れない死柄木を彩夏から遠ざけて、蛙吹と峰田、彩夏を救出するため自ら死柄木に突っ込んで行った。
しかし、死柄木はそのことに一切動じず
(死柄木)
「脳無」
とだけ言い放った。
SMASSH!!!
ズドッッ
ワンフォーオールの力で爆風が生まれ、土埃が舞った。
死柄木を確認すると、ワンフォーオールをぶち込んだのは死柄木ではなく脳無だったと気がついた。
(緑谷)
「え...」
ワンフォーオールが脳無に一切効いていないことに面食らう緑谷。
(死柄木)
「いい動きをするなぁ...
スマッシュって...オールマイトのフォロワーかい?」
(彩夏)
((まさか、緑谷くんが飛び出してくるとは...あの男に直接攻撃できなくなった...どうする))
もう一度死柄木が脳無に反撃させようとして
(死柄木)
「脳無」
と、呼んだ時。
《Freeze》
脳無は普通ならありえない、体の内側──つまり器官──が凍っていた。
そして、他人から見るとなぜ倒れているのかわからないよう、外側は凍らせていない。
その影響で脳無は行動不能になった。
死柄木と黒霧にも攻撃を仕掛けようとして逃げる死柄木と黒霧を追いかけながらゴーグルで追いかけていた彩夏。
(彩夏)
(ドリーム用のゴーグル常備してて良かった。でも、制服じゃ戦いにくい...せめて、下がズボンだったら...)