第10章 現れた幼馴染み
〜 蓮side 〜
ーー CC・客室
蓮「これで隠れたか……」
鏡の前でファンデ片手にジッと顔を見つめる。
昨夜涙を拭わず寝てしまったから、痕が残っていた。
普段は絶対しない化粧でなんとか隠したが、わかる人にはわかりそうだ。
蓮「おはようございます」
ベ「ん」
ト「蓮姉ちゃん、おっはよ〜♪」
恐る恐るリビングへ入るが、男二人は全く気付く様子がない。
けど……
ブ「蓮ちゃん、ちょっとこっちいらっしゃい」
キッチンのブルマさんが手招きをしている。
ブルマさんの側へと歩いて行くと、両手で顔を包まれた。
ブ「蓮ちゃん、貴女泣いたでしょう?メイクで隠しても私にはわかるわよ」
やはりブルマさんには敵わない。
ブ「何か悩みがあるんじゃないの?私でよければ相談に乗るわよ?」
優しい声に、また涙が出そうになる。
けど、どうしよう…ピッコロには知られたくない。
他の人に知られたら、心を読めるピッコロにも知られてしまうかもしれない。
どうしたらいいのか分からなくて、黙り込んでしまう。
ブ「元の世界の事で悩んでるのかしら?」
蓮「え?」
ブ「帰った後の事を不安に思ってるんじゃないかってベジータが言ってたから」
(ベジータさんがそんな事を?知らない内に色んな人に心配かけてたんだな……)
蓮「実はそうなんです。帰った後の生活が少し不安で……でも大丈夫です。あたし、強くなりますから」
頬を包むブルマさんの手に自分の手を添える。
ブ「フフッ…そうね、蓮ちゃんはきっと強くなれるわ。ピッコロに鍛えてもらってるんだから♪」
カラカラと笑うブルマさん。
どうにかごまかす事ができたようだ。
(あっぶね〜……)(汗
ブ「さ、朝ご飯食べちゃって。今日も修行に行くんでしょ?」
蓮「はい!いただきますっ!!」
ブルマさんに背中を押され、テーブルへと歩いて行く。
ブ「はあ…これは恋の悩みね。私にも話せないとなると…相手はピッコロかしら?厄介な相手好きになっちゃったわね~……」(汗
そんな事を呟きながら、腕組みをして食事をするあたしを眺めるブルマさんには気付かなかった。