第2章 プロローグ
〜 蓮side 〜
(…また傷が増えた。…先生にまた呼び出されんだろうなぁ…)
入道雲が浮かぶ空の下、そんな事を思いながら一人歩く。
白い自分の髪が太陽の光でキラキラ光る。
その足が向かう先は学校。
けど、正直行きたくない。
また傷を見た教師に生徒指導室に呼び出されるのが面倒だからだ。
(ま、家に来られるよかマシか…)
男子生徒1「よう、朝霧」
声のした方を振り返ると、いつもちょっかいを掛けてくる同期の奴らだった。
(めんどくせぇ…)
男1「お前また傷増えたな?」(ニヤ
男2「また例のヤクザの叔父さんに殴られたのか?」(ニヤ
こいつらはいつもうちの家の事をとやかく言ってくる。
それが凄く鬱陶しくて仕方ない。
蓮「…あたし今イラついてんだわ……失せろ」
そう言って横を通り抜けようとすると、決まって喧嘩を売ってくる。
男2「ンだとこのアマァ!!」
男1「テメェ…調子こいてんじゃねぇぞゴラァ!!」
始まった。
いつものパターンだ。
こいつらはこうやって喧嘩を売ってきてはあたしに負けて、また何日かするとこうやってまた喧嘩を売りに来る。
(…一回本気でボコった方が良いかもな…)
あたしは喧嘩の体制に入った。
そして次の瞬間こいつらは、あたしが1番触れて欲しくない事を口にした。