第7章 歓迎パーティー
〜 ピッコロside 〜
…心臓が締め付けられるようだった。
蓮の辛い過去の話を聞いていると、胸が張り裂けそうになった。
(こいつは…そんな辛い過去を背負って今まで生きてきたのか……)
今まで笑っていた蓮の目には涙が滲んでいた。
(……ッ!!)
スッ…
思わず蓮を抱き締めそうになった。
だが、それより早くブルマが蓮を抱き締めた。
オレは上がりかけていた自身の腕を見つめた。
(今…オレは……)
涙を堪える蓮を見て、思わず抱き締めたくなった。
ブルマが先に抱き締めていなければ、この腕で包み込んでいただろう。
自分のしようとした行動に戸惑いながら、ブルマに少し感謝する。
ブ「ねぇ蓮ちゃん。元の世界に戻っても一人きりで大変でしょう?もしよかったら、このまま此処に居てくれてもいいのよ?」
ピクリ…
ブルマの言葉に反応する。
蓮「ブルマさん……ありがとうございます。あたしも、出来れば此処に居たいです。けど、あっちの世界に大事な友達がいるんです。ちゃんと帰らないと……」
(……!!)
蓮のその言葉に、オレは身体に電流が走った様なショックを受けた。
(……大事な友達…か……)
元気を取り戻した蓮を悟天とトランクスは引っ張ってデザートのテーブルへと走っていった。
(お前は…いずれ元の世界へ帰ってしまうのだな……)
そんな蓮の後ろ姿を、オレは暫く見つめていた。
第7章 終わり