第5章 いざ、CCへ
〜 蓮side 〜
蓮「……夢じゃなかった」
目が覚めたら自分の部屋に居て、昨日の事は全部夢だったってオチかと思ったけど……違った。
昨日の事は確かに現実で、あたしはこの世界にトリップしてきたんだ。
それが、嬉しいようなそうでないような微妙な気分だ…。
いや、ピッコロもデンデもポポもみんな良い奴だ。
だからこの世界に不満があるわけじゃない。
それに、自分を殺そうとした叔父が居る家なんかに帰りたくなんかない。
その点ではこの世界にトリップして良かったと思ってる。
けど…1つ気になる事がある。
蓮「…あいつら、どうしてんのかな……?」
そう、あたしが気になってる事は…あっちの世界にいる迅や鉄先輩や瑠花の事。
それだけが本当に気掛かりだ。
蓮「今頃学校かな……」
すると、何処かから話し声が聞こえる。
恐らくピッコロ達だろう。
あたしはゆっくり起き上がってぐいーっと伸びをしてベッドから降り、頭を掻きながらドアを開けた。
すると、案の定其処にはピッコロとデンデの二人がいた。
デ「あ、すみません!!起こしてしまいましたか…?蓮さんはお疲れなのですからもう少し寝かせてあげた方がよろしかったのでは……」
ピ「いや、もう充分だろう。ずいぶん日も高くなっている」
どうやらあたしを起こそうかどうか話し合っていたらしい。
蓮「悪りぃ、もう充分眠らして貰ったよ。今何時ぐらいだ?」
デ「えっと…今は午前10時を少し過ぎたところです」
懐から小さな銀色の懐中時計を取り出すデンデ。
蓮「そうか……って10時!?ヤッベェ寝過ぎた!!すぐ支度する!!」
ドアを閉めて急いでバッグから突っ込んでた制服のブラウスを引っ張り出し、椅子に置いていたスカートを掴んだ。
(まさかこんな遅くまで寝ていたとは……)
早起きには自信があったんだけど…。
昨日は思いの外疲れがあったようだ。
ピ「おい、ポポが食事を作っている。準備ができたら食堂へ行け」
蓮「ああ!わかった!!」
立ち去る足音を聞きながら、素早く身支度を整えて食堂へと急いだ。