第3章 トリップ
〜 蓮side 〜
ー お前は、今日から此処で暮らすんだよ ー
(酷く懐かしい記憶…)
ー 父さんと母さんは? ー
ー …父さんと母さんはね、遠くに行かなきゃならないんだ ー
ー 遠く? ー
ー ああ。でもいつもお前を見守ってるよ ー
(懐かしい…両親との最後の記憶…)
ー どうやって? ー
ー コレを、貴方に… ー
(あの時、母さんが渡してくれたのが…)
ー …勾玉? ー
(そうだ、その時貰ったのが…あの勾玉の首飾りだった…)
ー この勾玉の首飾りが…私達の代わりよ… ー
ー こいつが私達の代わりに、お前を守ってくれる ー
ー ホント?ー
ー ええ、本当よ ー
ー じゃあ、元気でな… ー
ー ねぇ、いつ帰って来るの? ー
ー わからない。けど、私達は…いつも……お前の事を…… ー
……そこで、あたしの記憶は途切れてる。