第2章 プロローグ
ーー 放課後・通学路
瑠花「もう最悪だったよ〜、あの理科の先公!!」
鉄「まぁまぁ、そうカッカするなよ瑠花」
授業が終わったあたし達は、いつもの様に仲良く並んで帰路に付いていた。
今愚痴を零してる子は『藤堂 瑠花』。
あたしのクラスメイトで親友だ。
母子家庭で母親に厄介払いされている瑠花と叔父に厄介払いされているあたしは気が合い、すぐ仲良くなった。
モデルみたいに美人で水泳部のエースで、周りからは『水泳部のマーメイド』なんて呼ばれてる。
だけどかなり毒舌で、人の事は言えないがかなり口が悪い。
そしてその瑠花を宥めてる背の高い男前は『五十嵐 鉄』。
あたし達の学校の先輩だ。
先輩は人を外見で判断せずかつフレンドリーな性格なので、あたしにも良くしてくれる。
何度か部活の勧誘を受けたが、全部断った。
あたしみたいなのが側にいたらみんな気味悪くて部活に集中出来ないだろうし、何よりあたしの叔父が許さない。
瑠花「でも先輩、超ムカつくんですよ!?あんのクソババァ!!」
鉄「まぁ、気持ちもわからんでもないが…」
迅「それよかこの後マックでも行きませんか?」
2人の肩に手を掛けて迅が言った。
瑠花「あ、イイね♪そうしよそうしよ♪」
鉄「そうだな。おい蓮、お前はどうする?」
鉄先輩があたしの方に顔を向け訊いてきた。
蓮「すいません…あたしちょっとこの後……」
それだけで鉄先輩も瑠花も全て察してくれた。
鉄「そうか…じゃあまた別の日に一緒に行こう」
瑠花「今度は絶対行こうね、蓮♪約束だよ♪」
瑠花はあたしの小指に自分の小指を絡ませる。
蓮「うん、約束」
迅「気を付けて帰れよ〜」
みんなは笑ってあたしを見送ってくれた。
蓮「うん…ありがとう。また明日な」
あたしも薄っすら微笑んでみんなに手を振って別れた。