第11章 認めた想い
〜 ピッコロside 〜
深夜、ピッコロは寝付けず神殿の淵に佇んでいた。
夕方の事が気になって仕方ない。
(オレは…オレは、何故あんな事をしてしまったんだ…?)
自分でもわからない。
何故あの様な行動を取ってしまったのか。
何故…蓮と唇を重ねてしまったのか。
(アレが…俗にいうキスというやつか?)
恋人や夫婦、家族が互いへの愛情を示す方法の一つとしてする行為。
(ソレを、オレはあいつにした…)
赤らんだ頬に汗で張り付いた白い髪…濡れた肌に潤んだ瞳…
その全てに魅了され、気が付けば唇を重ねていた。
蓮を見るだけで心躍る…蓮に見つめられれば胸が高鳴る…。
蓮が笑えば自分も嬉しくなる…蓮が泣けば自分も辛くなる…。
蓮が自分以外の男と一緒にいたり話をしているだけで苛立ち、胸が苦しくなる…。
これだけ揃えばもう十分だ。
紛れもなく、この感情は恋だ。
認めよう、オレは…
(オレは…蓮に『恋』をしている)
本当はずっと前からわかっていた…この感情が恋なのだと…
自分が…蓮という女に恋をしているのだと…。
だが、やはり疑問に感じる。
男女がないナメック星人である自分が、何故蓮に恋をしたのか…。
恋愛がわからないナメック星人の自分は、その答えを見出せない。
(最長老様ならば、何か知っているかもしれん……)
ナメック星の事やナメック星人の事は最長老様が代々知識を受け継いでいる。
その最長老様に聞けば、何故自分が蓮に恋をする事が出来たのかわかるかもしれない。
ピ「行ってみるか…ナメック星に…」
答えを見つけに……。
第11章 終わり