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【あやかし百鬼夜行 魂 】妖界王には人間の隠し子がいまして…

第2章 妖怪横丁での出会い


(貴「尾咲のことどうするんだ?」)

(尾「そうじゃの。百鬼夜行大会の参加申込書も提出しなければならんし…町役場に向かいながら捲くとするかのう」)


ハァ、と2人はため息を吐く。すると尾咲が刀を抜いて、月沺に向ける


貴「町中で刀振り回す気か、尾咲ちゃんよ?」

咲「尾光をたぶらかす馬の骨骨は…わしが叩き切ってやる!おりゃぁ!」

貴「ちょっ、待てって!」

__キィィィンッ


尾咲が急に刀を振ってきた。月沺は素早く自分の刀を抜き、防いだ。彼は眉を顰める。尾光の親戚ならば、迂闊に傷をつけるわけにはいかない

バッと尾咲は後ろに下がり、「なかなかやるのう、馬の骨」と笑う


咲「ふっふっふ、わしの辞書に手加減という文字はない!もっと力を出すぞ!とりゃァァ!!」

貴「うおっ?! 危ねぇッ!!」


また尾咲が月沺に刀を振る。今度は前回のよりやや重い。この小さな体で刀を振るとは流石妖怪、と月沺は思っていた

すると尾光が「待つのじゃ!」と2人を止める。そしてゴソゴソと尾咲の袖に何かを入れる


尾「尾咲、向こうにおぬしの好きな綿菓子屋があったぞ。今小遣いを裾に入れてやったから、好きなように買ってくるのじゃ」

咲「っ?! わーい!(*´艸`*)
小遣いじゃ、小遣いじゃ!フッフー♪」


尾咲は裾から小遣いを取り出して、「わし、綿菓子買ってくる♪」とスタコラと飛んで行ってしまった


尾「……行ったようじゃのう」

貴「…尾咲ちゃんって頭弱いの?」

尾「ちょっとのう。さて、気を取り直して町役場に参ろうかのう!申込書を出せば、いよいよ…
百鬼夜行の長い長い旅の始まりじゃ♪」


こうして2人は百鬼夜行『銀露組』の旗を掲げた








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