第6章 chapter 6
「…ん、んぅ、ふっ」
まずは唇に熱いキスを送った。 唇を甘く優しく啄みながら、少し空いた隙間に舌を捩じ込む。
「んぅ、ぁ…っん、」
ぐちゅり、と唾液が溢れるのも気にしないで、そのキスという行為だけに全身の熱を注いでいく…。
智くんの頭を掻き抱くように、包むと智くんも俺の肩へ両腕を力なく回してくる。
「…はぁ、ぁあ、翔…く、んっ」
キスだけで、蕩けた瞳になった智くんに満足して、俺は一度躰を起こした。
「…ほら、智くんも脱いで?」
「…ん、」
俺は、下着だけを躰に身にまとったまま、脱いだ服をベッドの下へ落としていった。
智くんも智くんで、下着を残したまま服を脱ぎ去り、またベッドへ自分から倒れた。
裸になった事で、またその美しく恐ろしい花を輝かせる、智くんの黒い薔薇のタトゥー。
俺は、その上をひと撫でして智くんの首筋、鎖骨辺りに顔をうずめる。
「…っあ、んぁ…ふぅ、」
軽くキスを落として、胸の上の桃色に咲く小花を指と、舌で弄った。
智くんの躰が、どこで快感を覚えるのかも、気持ち良くなってくれているのかもわからない俺は、どこもかしこも桃色に染まった智くんの躰を触り続けた。
「は、ぁ…ぁ、んゃ、も、も…いぃ」
「…ん、智くん?」
乳首を弄っていた俺は、突然頭に降りてきた智くんの手に、乳首から口を離した。
「もう、そこばっかりじゃなくて…いいから」
「えぇ、もう少し弄んであげたかったのに…」
俺がいじけたようにそう言うと、智くんはくすりと笑って俺の膨れた頬を包んだ。
「また次回にして…もう翔くんのだって限界でしょ?」
言われてみれば、俺のイチモツもはち切れそうなほど、膨らんでいた。 また智くんにリードを許しそうになって、少し仕返しのつもりで俺の大きくなった股間を、智くんのに擦り付けた。
「…んっ! 翔、くん…ってば」
「そういう智くんだって、余裕なさそうだね…?」
「当たり前でしょ…っん、あぁ…っ」
また不満そうな表情になりそうだったから、俺は、もう一度擦り付けた。 そうすれば堪らないと言うように緩む智くんの顔。
もっと長く、その表情を見ていたくて、俺は。
――智くんの勃ち上がったモノを口に含んだ――。