第1章 「グリンデルバルドの脱走」
黒い魔法使いと言われた
「ゲラート・グリンデルバルド」
魔法界の人達は彼の名を聞くだけで様々な反応になるほどの
人物であった。
そんな彼は今、
ニューヨークのマクーザ地下室で囚われていた。
「……厄介払い出来て嬉しかろう。」
「むしろずっとここに監視しておきたいところですね。」
「半年で十分だ、もう欧州で服役させるべきだ。」
スピールマンとピッカリーが扉に辿り着くと、
アバナシーが振り返って2人の到着を確認した。
「ピッカリー議長、スピールマン様、囚人は確保してあり
移送の準備が整いました。」
「あらゆる呪文を掛けて拘束したようですな。」
「必要な措置でした。
彼は非常に手強くて、看守を3回も替えました_____
とても……説得力があるのです。
それで、舌を切って黙らせました。」
グリンデルバルドが、縛られたまま魔法で宙に
浮かべられ、上階に運ばれていく間囚人達が鉄格子を叩いたり、連呼などをしていた。
「「「グリンデルバルド!グリンデルバルド!!」」」