好きになってもいいですか。~声優さんと恋をしよう~
第4章 初めての
『やっぱり綺麗…』
思い返してみれば、この時私と梶さんの距離はほとんど無かった
私は好奇心が強すぎて、この時だけは恥じらいという感情を忘れていた
梶さんの白い肌、長いまつげ、潤いを帯びた唇…
触れてみたいと思った
多分、私は地味に興奮していたのだと思う
私はそっと梶さんの頬に手をあてた
「…ん…っ」
くすぐったかったのか、梶さんは少し表情を歪めた
その時
私に悪戯心が生まれた
もっと触れてみたい
どんな反応をするんだろう…
私は梶さんの前髪を撫でてみた
すると
「…ふふっ」
梶さんは笑った
まるで子供のように
私はドキンとした
胸の奥がきゅうっとなるような
そんな感じがした
『私、なにやってんだろ…』
胸にきた衝撃をきっかけに、私は我にかえった
胸はまだ高鳴っている
まさか、これって…
『あーもーちがう!絶対ちがうから!』
これ以上梶さんの側にいると心臓が潰れそうなので、
私はソファーを立った