好きになってもいいですか。~声優さんと恋をしよう~
第4章 初めての
ガチャ…
『あがりました~…』
私はおそるおそるリビングに入る
だけど返事はない
『…梶さん?』
名前を呼んでみるが、返事はない
(あれ、別の部屋にいるのかな)
それなら、まだこの姿を見られずに済みそうだ
ホッとひと安心し、私はテレビの前の大きなソファーに腰をかける
と
『…!』
私は気づかなかった
ソファーの端で梶さんが寝ていたことを
びっくりして思わず声が出そうになったが、
それで梶さんを起こしてしまうのは申し訳ないと思い、なんとか堪えることができた
(い、いきなり梶さんとか心臓にくるって…!)
だが、
せっかく梶さんが無防備な状態なのだ
よーく観察したくなった
『本当に綺麗な顔してる…』
少しずつ梶さんに近づいていく
ギシッっとソファーが音を立てた
が、梶さんが起きる気配はない
私は梶さんの寝顔をじっと見つめた