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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック




──翌日──

マリアンヌはうつらうつらしながら箒とチリトリをもって店の床に散らばっている割れたビーカーを掃いていた。


昨日はあの後店のカウンターで散々求められた挙げ句に、記憶がなくなるまでベッドで揺さぶられ続けたのだ。


そして今は昨日の激しい情事でカウンターから落ちて割れてしまったビーカーを片付けている。


疲れた疲れたと言っていたアンダーテイカー本人は言葉とは裏腹に朝からやけに機嫌がいい。

いったいどこがどう疲れていたのか疑問だ。

マリアンヌはため息をつきながら割れたビーカーの破片を麻袋にまとめて口を縛った時だった。



──バタン──


「遺体の引き取りだ、アンダーテイカー。」


ヤードの面々が店にやってきた。


マリアンヌは地下室まで案内し、安置所のカギをあけると、昨日処理をした遺体の棺を部下の刑事達に引き渡す。


無事に引き渡しが済みヤード達が出ていくと、アンダーテイカーが驚くことを話し始めた。


「切り裂きジャックの容疑者、捕まったらしいね〜。」


「(え?!)」


シエル達がきたのは昨日の昼だ。
何がどうなってこんな展開になったのだ。


「(い、いったい誰が犯人だったんですか?)」


「(ドルイット子爵アレイスト・チェンバー、派手好きなナルシストで有名だから、マリアンヌも聞いたことくらいあるだろ〜?彼はちょっと変わった趣味趣向があるからね。現場を取り押さえられて捕まったみたいだけど、まぁ時期に金で釈放されるだろうさ〜)」


……確かにドルイット子爵はこの辺では有名人のため、マリアンヌも知ってはいたが……


「(あの、アンダーテイカーさん…本当にこれで切り裂きジャックの連続殺人は解決されたのでしょうか?)」


シエル達を信じていない訳ではないが、呆気なすぎのようにマリアンヌは感じてしまったのだ。


「ヒッヒッヒッ…どうだろうねぇ…」


アンダーテイカーはシエルには見せることのなかった紙を見つめながら不敵に笑っている。



アンダーテイカーは何かを知っている様だった。







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