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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第18章 番外編・死神は紳士?





“女の子の日は無理をしてはいけない”と、普段マリアンヌがやっている料理や掃除や洗濯なども一切やらせないのだ。


そして驚く事がもう1つ……








「さぁ、そろそろ寝ようか……」


それは夜、眠る時。


毎晩毎晩夜中まで激しくマリアンヌを抱いているアンダーテイカーが、この期間だけは一切手を出してこないのだ。


「ほら、もうちょっとこっちにおいで。」


「(は、はい……)」


腕枕をしてやり優しくその腕にマリアンヌを包み込むと、満足したように頬にキスをする。


「おやすみマリアンヌ、いい夢を…」


「(お、おやすみなさい……)」




まるで別人の様に紳士となるのだ。

それは朝になっても変わらない。

朝目が覚めてもマリアンヌにちょっかいを出すことなく、素早く着替えると1人でキッチンに向かい朝食の準備をする。


優しいだけではなく、仕事も全て休みにさせ、必要以上にベタベタと触れてこない。


怖いくらいの変わりようだ。





だが、それも“女の子の日”が終わるまで。

アンダーテイカーの紳士は期間限定なのだ。






ー7日後ー


夜アンダーテイカーはエプロンを付けてキッチンで夕飯の片付けをしていた。長い事1人で店を切り盛りしていただけあって家事の手際もいい。

よくわからない鼻歌を歌いながら食器を洗っている。



「(……………)」


マリアンヌはとある事を告げなければならないのだが、非常に気が重い。

だが、一週間もの間自分を大切に扱ってくれたのだ。

嘘はつけない。

マリアンヌは深呼吸をすると、キッチンの扉をあけてアンダーテイカーの肩を叩いた。



「おや、マリアンヌ。起きて大丈夫なのかい?」



シンクを覗き込むとちょうど食器洗いが終わったところみたいだ。

アンダーテイカーはタオルで手を拭くと、その手をマリアンヌに差し出した。



「(あの…ですね…えと……月のもの、終わりました…1週間もの間お仕事休ませて頂き…ありがとうございました。)」



「…………」



恐る恐る顔を上げると……



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