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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第18章 番外編・死神は紳士?






ある日の朝、アンダーテイカーはマリアンヌの顔色が悪い事に気付き声をかけた。


「マリアンヌ?顔色が悪いね、どこか具合でも悪いかい?」


すると、指を出したマリアンヌは少し俯きながらアンダーテイカーの手のひらにとある事情を書き綴る。


「(あ…あの…実は、月のものがきてしまいまして…)」


マリアンヌは毎月やってくる生理で体調を崩してしまうタイプ。

それにアンダーテイカーとは毎晩ベッドを共にする仲だ。恥ずかしいが毎回報告しなくてはならない。


「そうだったのかい?気づかなくてごめんよマリアンヌ…さぁ、ここはもういいからベッドで寝ておいで。」



「(で、ですが…あっ!キャッ!!)」



朝食の片付けをしようとしていたマリアンヌを止めると、アンダーテイカーは強引に抱き上げて寝室へと向かってしまった。











「ほら、調子が戻るまでゆっくりしてるといい。後で薬を持ってくるからちゃんと飲むんだよ?」


マリアンヌをベッドに寝かせて布団をかけてやると、アンダーテイカーは柔らかく微笑んでその愛しい恋人の額を撫でた。


「(すみません…ありがとうございます…)」


熱が出たわけではないが、重怠くなってしまった身体だと、少し冷たいアンダーテイカーの手が心地良く感じてしまう。


優しく撫でる手付きに次第に眠くなりだしてしまった。


「ゆっくりお休みよ…」


撫でていた額にそっと唇を落とすと、アンダーテイカーは寝室を出ていった。











────────────────



「(ん……)」



2時間程眠っていただろうか。

目を覚ますと、ベッドのサイドテーブルに小さな薬の包と水が置いてあった。

そして起き上がろうと布団をめくると先程はなかったひざ掛けの毛布が腹部のあたりにかかっている。

きっと眠っている間にアンダーテイカーがかけたのだろう。



「(いつも思うけど…別人だわ……)」



アンダーテイカーはいつも優しい。

優しいというか、甘やかすというか、ベタベタしてくるというか…

とにかくいつも優しいのだが、生理の時はまるで重病人かの様にマリアンヌを扱うのだ。



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