第10章 その死神、激情
「これくらいさせておくれ。今日のお詫びにしたいと言うのも勿論だけど、普段から何も欲張らないマリアンヌだ。バレンタインくらい甘やかさせてよ……ねぇ?マリアンヌ。」
そこまで言われてしまえば断れるはずも無く、マリアンヌは素直に頷いた。
「(あ、ありがとうございます、アンダーテイカーさん。明日、楽しみです…)」
「うん……いい子だよ。そしたら、もうこのまま寝てしまおう。今日のマリアンヌは寝不足だったんだろう?疲れが残っていたら明日元気に出かけられないからね。」
「(は、はい……)」
アンダーテイカーは冷えない様、マリアンヌに布団をかけ直してやった。
のだが……
「おやすみマリアンヌ、続きはまた明日の朝にしようね♡」
「(………!?)」
ニタリと悪い笑みをこぼしたアンダーテイカー。
マリアンヌの身体はビクリと反応し、明日の朝が少し怖くなったが、これが、これこそが自分の愛している死神アンダーテイカーなのだ。
顔を真っ赤にさせながら素直に頷くと、マリアンヌは明朝のため、すぐにギュッと目を閉じ眠りについた。
「イッヒッヒッ…愛してるよマリアンヌ。いい夢を…」
軽く触れるだけのキスをすると、アンダーテイカーも布団をかけて眠りにつく。
かけがえのない愛しい愛しいマリアンヌを抱きしめて…