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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第8章 死神との生活







──カチャ──


「ちょっと葬儀屋!!いきなり電話で“今から行くから女の子に必要な物を全て用意しておいておくれ〜”って……いったいなんなのよ!!私はあんたの召使いじゃないわっ………よ……って……えぇ……!?」



連日続いていた冬の雨にイライラしていた所にアンダーテイカーからのいきなりすぎる無茶な注文。


店の扉が開いた瞬間に鬼の形相で文句を言いつけたニナだったが、想像を絶する光景に思わず絶句してしまった。




「やぁ、ニナ…小生が店に来るのは久しぶりだね〜」



雨がザァザァと降り注ぐ耳障りな音と共に入って来た葬儀屋アンダーテイカーは、1人の少女を抱えてやってきた。



「あんた……そんな物に手を出して…もともとおかしな奴だったけど、遂に本当に頭おかしくしたわね…!」



無表情で黙って抱かれているこの少女をニナは、愛玩人形だと勘違いしたらしい。

人体模型を大事に磨いてる変人だったのは知っていたが、次は愛玩人形に服を着せ替えて遊ぶのが趣味になったのかと思ったら、ニナは呆れて何も言えなくなった。



「ヒッヒッヒッ……失礼しちゃうね〜…この子はマリアンヌ。小生と一緒に暮らすことになった女の子だ。」



「はぁ!!!???」




驚愕し、大きな声をだしてしまったニナであったが、よくよく見ればまばたきもしているし、人間だ。


だがしかし、アンダーテイカーと一緒に暮らすことになったというのはどういう事なのだろうか。


ニナにはさっぱり状況が掴めなかった。





「ちょっと色々あってね……頼むよニナ。この辺でこんな事頼めるのはニナくらいしかいないんだ。代々の付き合いのよしみで頼まれてくれないかい?お礼は弾むよ〜」



「……………」



ニナの家系は代々女王の番犬お抱えの仕立て屋だ。

当然ファントムハイヴの家系を長く見守ってきたアンダーテイカーにとってはニナの家系とも付き合いが長い。



だからこそ、マリアンヌの事はニナに任せたかったのだ。


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