第43章 貴方の声だけが聞こえたの

　女の子『おうちばいばい（引っ越し）ヤダ』

　男の子『ばいばい!　マタあおうね!』

　女の子『またあえるの？』

　男の子『あえるよ!　だからナカナイの!』

　女の子『うん!』


　声がどんどん小さく……　ゆっくり流れてくように

　今までたまに見る映像に違う場面と言葉達……


　9才位の女の子『あ～カズ!　ひど～い!』

　9才位の男の子『あ～』


　あ……　れは……　二宮さんと……　誰？　

　からだ……　いたいよぉ……　そらがみえるの……　なんで？　


『大丈夫ですか？　今救急車呼びましたから!』


　わ……　たし階段から落ちたんだ……

　ぼんやりしてきた……　なんか……　世界が……　暗く……　なってく中……　見えた人……

　両脇抱えられて……　振り解こうとして……　る……

　女の人……


「お前……　何やってんだよ!!」


　この声二宮さん？　


　凄く落ち着く綺麗な……　声

　女の人を怒鳴ったの？　

　カズ「翔ちゃん？　大丈夫か？　しっかりしろ!」


　あ……　二宮さんだ……


　消えゆく意識の中


　二宮さんの声だけが……

　聞こえたの……