Sapphire〈小悪魔系男子にご注意asobase?〉
第43章 貴方の声だけが聞こえたの
翔side
ー翌日ー
翔「気分が滅入る。最近行ってなかったから本屋に行ってみようかな……」
休日の午後
昨日、可哀想な事をしてしまった美苗ちゃん……
今朝謝ったら
美苗『大丈夫!』
って可愛い笑顔見せてくれて
今もリビングで、皆とワイワイ楽しくお話したりして過ごしてる
良かった……
……ダメだ! 気分転換に出掛けよう
外に出て、皐月の深緑の風を吸い込んで
もうすぐ6月で
紫陽花もちらほら……
それでも気分は変わらなくて……
ずっと繰り返しリフレインしている言葉
女『忠告したはずよ離れなさい』
そんな事言われたって、私と二宮さんは別に……
顔立ちは確かにベビーフェイスで、男性にしては可愛い系だし
若く見えるけど……
潤さんと知り合いで、相葉先生とだって時々、なんだか真面目な話をしているし
智さんとも連絡取り合ってて
博識で、大人の女性と知り合いで……
どう考えても高校生とは思えなくて……
翔「もう…… 何が何だかわかんないよ」
歩道橋の階段を上りながら
あ…… れ? この匂い……
私は鼻が敏感な方みたいで、香水とかきつめの柔軟剤の匂いとかが苦手で……
手紙から匂ってきた匂いと同じ……
せっかくの美味しい空気が……
(手紙の人…… 後ろにいる?)
本当は歩道橋を渡って、向こう側に行きたかったんだけど……
目の前の下りの階段を……
見えないけど……
怖くて振り返れないけど…… 背中に感じる……
強い視線!
早く!
目の前の階段……
半分まで降りて真ん中の踊り場に立ってチョット呼吸を整えて
さ、降りようと……
なんで世界が
ゆっくり回ってるの?
雪? 今は5月……