第25章 もう…その笑顔反則だよ…

　カズside

　イジワルが過ぎた

　利き手で……

　お姉ちゃんの為

　一緒にって……

　考えて包丁握っちゃって……

　ほんの少し神経を傷付けちゃって……


　翔『妃那ちゃんより軽いから……』


　そんな悲しい顔して言うなよ……

　分かってるよ……　自分で自分を納得させてんでしょ？　

　妃那さんが音楽を……　妃那さんは翔ちゃんと一緒にって……


　それを、大野さんと妃那さんの事思ってさ

　この娘《コ》は……


　必死に後悔してないもん。しちゃいけない……

　言い聞かせるように、どんどん表情は無くなってくしさ


　翔『私も、智さんや妃那ちゃんと絵を習ってたのに全然ダメで（笑）。母にピアノ習って。ピアノ弾いてる時だけは……　自分の心の中の言霊を、音に乗せて表現することが出来たんです』


　そのピアノさえ、音楽も無くなったら……

　だから無茶なリハビリをしようとしたんだよね？　


　それなのに俺ってば……


　もう少し違う方法あったんじゃねぇ？　


　あんな……　無言でフォークを渡すとかさ……