第77章 彼の姉の想い人

　翔ちゃん。負のループからは抜け出したみたいだし、目の前の人に理由を聞こうかな？　


　和奈「潤ね、カズや翔ちゃんの事報告にしに来てくれて、何年振りかに会って……」

　潤「いいよ。和奈。俺が話すから。翔とカズが親父さんに会いに行ってる時、俺は……カズと再会した時に、二宮家の皆さんに会いたいなって思ってたから、訪ねて来て。再会した時、急にすげぇ懐かしい感覚に陥ったんだ」

　カズ「確認の為に聞くんです。気分を害したらごめんなさい。潤くん、姉ちゃんの事本気なんですよね？」

　って確認しながら、ちらっと翔ちゃんの方を見ると、唇に右手の人差し指と中指を当てて、ぴしっと前を見据えていて……

　姉ちゃんと、潤くんの思いも聞いたら。翔ちゃん安心してくれるかな？　


　不意に潤くんと目が合って……　微かに唇の端右にクイってあげてニヤってしたから、マサカなって一瞬思ったんだけど……

　潤「本気です。時間にしたら、出会ってから短いかもしれないけど。めんどくさい性格の俺なのに……　感覚的なもので説明し難いんだけど、付いて来てくれるって……　カズとの事だって、自分が家を継ぐの『疑問にも感じた事なかったのに』って泣いたんだよ。それを見た時に『あぁ俺が守ってやる』って……　カズ!　まだ甘いな。翔はあの集中力で……　話聞いてなかったと思うぞ？」

　カズ「マジかぁ……」