第1章 狂愛【安室透】
本を読み進めていると、コトっとなにかを置く音がして、は顔を上げた。
安「あっすいません。お邪魔しちゃいましたね。」
『いえ、大丈夫ですよ。』
安「ミルクティー、冷めてしまったので新しいものです。」
冷めてしまったミルクティーを下げ、新しい温かいミルクティーをテーブルに置いた。
『そんなに気を使わなくていいですよ!』
安室「いいですよ。いつも来てくださってますから。ねっ梓さん。」
梓「そうですよ!さんはうちの常連さんですもん。」
『う~。ありがとうございます。いつもいつもすいません。』
は申し訳なさそうな顔をしながら、新しく入れられた温かいミルクティーに口をつける。それを見て安室が怪しく口角を上げたがも梓も知ることではなかった。
ポアロの閉店の時間が近づき、安室と梓は閉店の準備をしていた。そして、梓はチラリと店内を見た。
梓「あら~さんまた寝てますね。大学忙しいんですかね?最近、寝てることが多いですね。」
安「そうですね。大学も試験とかレポートがありますからね。忙しいのかもしれないですね。」
二人は困ったような笑みを浮かべ、の様子を伺っていたが、起きる様子はない。
安「あとは鍵をかけるだけなので、先に梓さんは帰ってもらっても大丈夫ですよ?あとは僕がやっておきますよ。」
梓「でも、いつもやってもらってますし...」
安「いいですよ。僕も急に休んだり、勤務変わってもらったりしてるので気にしないでください。むしろ、これぐらいさせてください。」
梓「じゃあ、すいませんがお願いします。」
梓が裏へ行き、ロッカーへ着替えに行ったのを確認し、安室は再び掃除を再開した。
梓「じゃあお先に失礼しますね。」
安「お疲れさまでした。」
着替え終わった梓が扉から顔を出し、挨拶をし帰って行った。それを見届けた安室は、不敵な笑みを浮かべ、寝入っているへ近づいていった。