Moonstone キミはキミだよ【Kazu.N】
第57章 何もしてあげなかった…
カズside
カズ「その新エースの神林? 顧問の方に、自分を戻してくれ! って言った。ゆなちゃんが、野球部に入った時点では、そいつはマネージャーだった。顧問は神林に、ゆなちゃんに引き継ぎを…… 教える様言ったけど……」
翔「私から見たら凄いレベルで。ゆなちゃんの不安は、スコアブックの付け方やルールより、マネージャーとしての……」
カズ「スケジュール管理。遠征先とかの決め方。連絡方法。今までどこの学校と対戦して来たか? とかの分野が不安……」
翔「二宮センパイ凄い…… ゆなちゃんからやっと…… 聞き出して……『俺に聞くな! 考えろ』って言われたって木曜日に……」
カズ「……相葉さんも言ってたな。顧問、たまにしか来なくて。事実上、自分がピッチャーで、神林は、名前だけ立派にエース。なのに…… 練習さえ出てこなくて。顧問も、練習は松本センセにさせて試合の時だけ、二人しゃしゃり出てきて。勝手に自分達で、相手側に連絡取るし。文句あるなら辞めろとか…… さ」
松本センセは一人
生徒会も…… 野球部も……
潤『お前達に任す!』
昨年は教師一年目じゃ……
逃げてたのとは違う
出来る範囲内で…… ガンバってくれて
-トウルルル-
翔「~ゆなちゃん? 落ち着いて? 相葉センパイがそんな事思うわけないよ?」
(何話ているの……?)
-トウルルル-
ん? 相葉さん?
カズ「相葉さん? 翔ちゃんもさ。今聞いたよ…… 俺さ、少し話し聞いてたのに。何もしてあげなかったゴメン…… ゆなちゃん、どんな様子なの? 翔ちゃんと一緒だ。不安で話したはいけど…… 言ってしまった事で、もっと事態が悪化したら…… って。そういう子達だよね? 翔ちゃんもゆなちゃんも……」
二人がどんな思いでいたか……
カズ「分かった! 俺たちも行くから!」
先に話が終わったらしい翔ちゃん……
心配そうに
携帯電話を、胸の前でキュって握り締めて……
大丈夫という様に頷いて
カズ「行こう?」
って言うと
不安顔の翔ちゃん……
(可愛いな……)
こんな時まで……
俺はバカだ……
ゴメンね翔ちゃん……