Moonstone キミはキミだよ【Kazu.N】
第33章 1で10を知るタイプ
カズside
リビングテーブルを挟み、翔ちゃんの左隣に俺、正面に大野さん、その右隣にゆなちゃんが座ったんだけど
俺と大野さんが話すウチに、ゆなちゃん翔ちゃんの方に移動し足元の絨毯に座って……
その白く美しい手を握って……
カズ「翔ちゃん何の責任も……何で? 助けてあげなかった……」
(……たぶん俺と同じ……か)
カズ「すみません。生意気言って……つい5年前って言ったらあなたは未成年ですもんね」
智side
(1で10を知る? ん? 悟る? タイプね。すげぇな。いろんなしがらみ大人達の思惑、面子。見抜いたんだ)
カズ「あの。人の顔じっと見ないでくれません?」
((笑)あ、余りに感心しすぎてガン見し過ぎちったよ)
智「わりィ。イヤ〰やっと分かってくれる人が……もう気づいたでしょ? 当事者じゃなくて周りが事をややこしくした」
カズ「ええ……」
智「姫達から聞いてると思うけど、老舗ってのはね、なんだろ? 自分たちの考えだけが正しい……みたいなね。。若い二人は惹かれあった。男の家は代々男だけが継ぐ、そういう世界だという考え。女の方の家は元々女系家族的な所があって、続いていく為には女性も跡を継げるそういう考え」
カズ「……分かります。互いの親戚達が大反対?」
智「二人は負けなかった。互いに翔ちゃんの父親には弟。母親には二人の姉が次女が継ぐ事で一旦は治ったんだ」
カズ「一番上のお姉さんが大野さんのお母さん?」
智「なんで? 分かった?」
カズ「大野さんと、翔ちゃん8才離れてるから。大野さんのお母さんが長女で、翔ちゃんのお母さんは末っ子で。その間に翔ちゃんのもう一人の伯母さんがいるのかなって……」
智「すげぇーね! オイラの母ちゃんとすぐ下の妹が三つ。翔ちゃんの母ちゃんとは八つ。母ちゃんと、父ちゃんはそもそも話し合いから外れてた。既に母ちゃんも医者である父ちゃんと……ね……」
カズ「成程折角一緒になったのに2年後に?」
智「そう……で、その時もまたね」
(病に苦しむ人より、自分達の事優先。ホントそれで対相手を思ってね作品作りや仕事出来るの?
はっきり言って心惹かれる物作っているとは思えないよね
自己顕示欲の方が見え隠れした品ばかりでさ……
魅力感じねぇんだよ……)