第30章 お嬢さま

　ゆな「二宮センパイ大丈夫ですか？　あの､今更ですがお家は遠いんですか？」

　ゆなちゃん心配ありがとう

　よっぽど酷い表情してた？　

　二人ともゴメンね

　カズ「大丈夫!　俺寮だから」

　翔「あ!　そうでしたね｡寮でしたね」

　〇〇学園はいわゆる進学校で､県外からの生徒も多いから｡まあ男子生徒はほとんど寮なんだ

　女の子たちは二人みたいに家から通ってる子もいるし寮の子もいる

　必ず寮に入らなきゃいけない、っていう決まりは無い

　進学校の割にはちょっとユルい感じ？　ちょっと良いとこの子の方が多いかな

　生徒もいわゆるガリ勉さんタイプがあまりいなくて個性的な奴らの集まりなんだよね

　センセもね

　訳ありさんも……ね

　年配のメイドさんが、紅茶とクッキーを運んできてくれて､いざ話をとなった時なかなか話し出せない翔ちゃん

　するとゆなちゃんが鞄から……

　カズ「ボイスレコーダー?」

　ゆな「はい｡先週28日の土曜日智さんに聞いた話｡あたしたち動揺してたし忘れないように｡許可取ったら智さんも『いいよ』って言ってくれたから。録音しておいたんです」

　すげぇ、きっと尻に敷かれんだろうなぁ……相葉さん……　

　でも、こんだけしっかりした女の子の方が

　あいつにはいいかもね


　思わずニヤケてたら

　翔ちゃんが


　翔「頑張ってみる」

　って話し始めて

　その後、テープでもう一度その話をきかせてくれたんだけど……

　カズ「は？　それって翔ちゃんに責任無いじゃん!」