第2章 escape
「うゥ!寒い!チョッパー毛皮貸して!!」
「うん!って脱げるかっ!!」
「外…ではなさそうですね…。冷凍庫?暗くてよく見えない…!」
「ちょうどいい気候だおれには。」
「あ!見えた扉が!進みましょ行き止まりじゃない!」
「本当だ!!」
走り出したナミに続きとチョッパーも冷凍庫のような部屋の奥に見える扉の奥へと走り出した。しかし子供たちは震えるばかりでそこから1歩も動かない。
「お姉ちゃん!ここやだこわいよ!!」
「え!?」
「この道初めてここへ来た時通ったの!」
「ホント!?じゃあ出口に通じてる!相当寒いけど!我慢して!早く!!」
「だって…まわりに…。」
「?まわり…?」
子供の声にチョッパーとナミとの3人は辺りを見渡した。やや暗い部屋の中で徐々に目が慣れて来ると瞳に映し出される光景に絶句する。
壁や床には氷ったマンモスや巨人族、普通の大きさの人間まで様々なものが所狭しと埋め込まれるように氷漬けにされていたのだ。
「え〜〜!何だこれ〜〜〜!!?」
「この道凍った人たちがいて!こわいの!!」
「何コレ…氷漬けの…死体!?」
「上にも下にも…!!」
「ギャ〜〜〜!!」
「きゃっ!!」
まるで四方から睨まれているような感覚にチョッパーとナミとはお互いを抱き合い震えながら涙を流す。こんな光景見たことも無ければ想像した事も無かった。
「い…い…い…!!」
「「いやァ〜〜〜!!!!」」
「あ〜〜〜!!お姉ちゃん達待って〜!!」
「置いてかないで〜〜!!」
恐怖心から突如走り出した3人。子供たちも後から遅れて走り出す。扉を抜けた先は相変わらず無機質な壁と床が続いていた。どうやらまだ外には出られないらしい。
「もう…!早く会いたいよ、ロー…!!」
さっさと見つけ出してこの場から逃げ出したい。そんな事を強く願いながら、今はただただ外を目指し走り続けた。