第1章 最悪な出会い
ー6年前ー
あの頃の俺はデビューして1年がたち、ようやく周りが見えてきた頃だった。
その当時、俺にはお気に入りの店があった。
時間があれば、その店によく行っていた。
マスター「いらっしゃい、今日はオフかい?」
裕太「ううん、夕方からまた仕事。ちょっと時間あったから寄った。」
マスター「そうかい」
そう言うとマスターは、いつもの席へと案内してくれた。
マスター「いつものでいいかい?」
裕太「うん」
一番角の窓際の席
そこが俺のお気に入りの席だった。
マスター「おまたせ」
裕太「ありがと」
マスターが運んできてくれたドリンクを一口飲む。
マスター「またアイツらいるなぁ」
その言葉につられて窓の外を見る。
その窓から見える公園には、未成年と思われる奴らが何人かたむろしてた。
マスター「まったく近頃の若い奴らは、何考えてるのかわからないな」
そう言うとマスターは、苦笑いをして戻っていった。
俺はしばらく眺めていると、ふと1人の女の子と目があったような気がした。
俺は慌てて目を逸らした。
その日から店に行くと、なんとなくその女の子を気にするようになった。