第3章 天使の笑顔
「ねぇ、玉森さん」
裕太「ん?」
「私、ずっと伝えたかった事があるんだ」
は改まった顔をして俺を見た。
「この子がお腹にいるってわかるまで、私は世の中どうでもいいやって思ってた。今が楽しければそれでよかった。けど、この子が私を変えてくれた。今は、この子を何があっても守っていかなきゃって思ってる」
俺はの話を真剣に聞いた。
真剣に話しているは、初めて見た頃とは別人のようだった。
「でも、私が変わるきっかけをくれたのはこの子だけじゃない。玉森さん………あなたもなんです」
裕太「えっ?」
「玉森さんがあの時助けてくれたから、私はこの子のママになれたし、変わる事ができた」
裕太「…………」
「これから先、私にはこの子が必要なんです。そして玉森さんも…………私……玉森さんが好きです。こんな私でも好きになってもらえますか?」
俺は赤ちゃんをベッドに寝かせると、の頬に触れた。
裕太「俺、君よりずっと年上だし、安定した職業についてないけど、君とこの子の側にいてもいいかな?」
は目に涙をいっぱい溜めて、大きく頷いた。
俺はを優しく抱きしめた。
裕太「ありがと、俺も好きだよ。」