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Orange Topaz~初恋と宝石~【kazu.N】

第12章 運命の女の子~K~


 ヤマトが、対応に玄関に向かい俺はタケルと話を続けてたんだけどさ

 ヤマト『のん!』

 ヤマトが、叫んだとたん

 タケル「のんちゃん?」

 タケルは色めきたって……

 ソフアから腰を浮かせて、中腰の体勢のまま固まって動かないし(笑)

 その瞬間、俺の存在なんか見えてねぇんだろうなって(笑)

 ヤマト『のん! 帰って来てくれたのか?』

 ヤマトの声も上ずっている(笑)

 亜子『今日は、ヤマトさん』

 ヤマト『あ、あぁ……亜子今日は……結衣ちゃんも……』

 結衣『今日は……』


(ん?)

 少しの違和感を感じたのと、女の子二人の声はするんだけど

(のんちゃんの声は聞こえて来ないな)

 と思っていると

 ヤマト『? どうした?』


 亜子『のんが確かめたい事があって来たんですけど……』

 結衣『のんちゃん? 大丈夫? やめておく?』

 のんちゃんの多分友人だろう二人の不安気な声はするけど、それでものんちゃんの声はしなくて……

 カズ「タケル?? 大丈夫か? 上がってもらって話せば?」

 なんか、皆して正常に思考が働かないのか、停滞している空気を変えるために思わず口出ししてしまってさ

 タケル「あぁ、だよ……な、ヨンデクル」

 普段なら片言じゃねぇか! とツッコミを入れたくなるんだけどそんな雰囲気じゃなくてさ

 しばらくして、皆でリビングに入って来たんだけど……

(……)

 女の子三人


 腰まである長い髪のスレンダー美人系 

 小柄でボブ髪の美少女系 



 背中の真ん中ぐらいまである髪の、童顔で目がクリッと大きな小柄な可愛い女の子……


 どの子が、のんちゃんと聞かされてないけど

 一目で分かったんだ……

 入って来て、皆同じ様に俺を見て固まっているけれど、それでも分かったんだ……


 のんちゃんが分かったんだ……

 なんか……全身の神経がキューって胸の所に集まってきた不思議な感覚……

 一人の女の子から目が離せなくて。そして彼女も不安気な、水分の多い瞳で俺を見ていて……


 やっと会えた……


 ヤマトとタケルが俺を凝視している事に気が付かないくらいに

 静寂の波に包まれる様な感覚の中に俺はいたんだ……
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